ヨーロッパでは、国際相続に関する準拠法および国際裁判管轄はどのようになっていますか。
投稿日:2026年3月11日
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EU地域内における国際相続は、2015年から施行された「欧州相続規則」という共通のルールが適用されます。これは、米国よりも、シンプルで一貫性のある解決が図ることができる点が特徴的です。
EU域内のルールでは、不動産か動産かにかかわらず、原則として被相続人の死亡時に「常居所」を置いていた国の裁判所に相続に関する管轄があり、その国の法律が適用されます。
➀裁判管轄: 被相続人の最終常居所地の裁判所が、世界中にある全遺産を一括して管轄します。
➁準拠法: 遺産全体に対して、最終常居所地の法律が適用されます(包括主義)。
例えば、ドイツに住む日本人が日本とフランスに不動産を残して亡くなった場合、原則として、被相続人の最終常居地であるドイツの裁判所が日本およびフランスの不動産の全遺産の相続に基づく財産分与についてドイツ法を適用して行ないます。
常居所地の法律が適用されるのを回避したい場合、被相続人は生前に遺言書に「自分の国籍がある国の法律」を準拠法として指定することができます。
たとえば,日本人がEU圏内に住んでいる場合、遺言書に「自分の相続は日本法をで行う」と記載しておけば、常居所地(EU)の法律ではなく日本法に基づいた相続ができることとなります。
EU域内での相続手続きをスムーズにするため、「欧州相続証明書」という証明書制度があり、これにより、各国の銀行や登記所で個別に証明手続を行う必要がなく、相続人であることを証明できます。
すべてのEU加盟国がこの規則に従っているわけではなく、デンマークとアイルランドは、このルールは適用外となっています。これらの国々は独自の国際私法ルールがあるため、これらの国に資産がある場合は別途確認が必要です。
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