アメリカにおけるプロベートには、どの法令が適用されますか。
投稿日:2026年3月11日
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米国に遺産がある場合、どの国のどの州の法律が適用されるかと準拠法の問題は、日本とは別のルールに基づいています。
1. 「不動産」,「動産」の相続手続きで適用される法律
日本法では、不動産も預貯金もすべて一括して日本法が適用されますが、米国では財産の種類によって適用される法律が違います。
➀ 不動産(土地・建物):例えば、カリフォルニア州に不動産があれば、カリフォルニア州法に従ってプロベートが行われます。
➁ 動産(現金・宝飾品・家財など): 一般に被相続人が死亡時に恒久的に住んでいた場所の法律が適用されるとなっていますが、とりわけ海外に銀行口座預金名義がある場合には,現地銀行の取引規則に従う必要があるなど,実際には資産の種類や名義、受取人の指定があるか否か、信託への移転があるか否かなどによって扱いが異なるため、一律には決まりません。
2. ルールの違いによる相続手続きの複雑化・長期化に注意
このルールの違いにより、次のような複雑な事態が発生します。
例えば、日本に住む日本人が、ハワイに不動産(別荘など)を残して亡くなった場合
日本の預貯金や不動産 は 日本法が適用されますが、
ハワイの別荘は、ハワイ州法が適用されます。
この場合、仮に日本で作成された遺言書があり有効であるとしても,遺言書の内容を確実に実現するためには,当該遺言書の要式がハワイ州法上の要件を満たしているか否か、ハワイ州法上誰が相続人になるか、といった州法固有の判断が必要になります。
3. 準拠法について
遺言の有効性:日本法では、相続は原則として被相続人の本国法によるとされ、遺言についても通則法上のルールがあります(法の適用に関する通則法36条,37条)。したがって、日本で作成された遺言については、日本法上の有効性だけでなく、米国側の相続手続で用いる際には追加の検討が必要になる場合もあります。
相続分の違い:日本法と米国州法とでは、配偶者や子の取り分が違うことがありますので、「どちらを優先するか」ということではなく、その争点はどちらが準拠法になるのかを判断し、問題とされる法適用の場面ごとに当該準拠法に従って相続分を検討することになります。
遺留分: 米国の多くの州には、日本のような遺留分制度は一般的にはありません。もっとも,米国にはelective share など、生存配偶者を保護する制度を設けている州が多く、日本法の遺留分と全く同じではないですが、一定の配偶者保護制度があります。
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