父が事業に失敗し、日本多くの借金を残したまま、単身アメリカに移住しました。しばらく音信不通だったのですが、先日、アメリカで亡くなったことが分かりました。私はどのような手続きを取るべきでしょうか。
投稿日:2026年3月2日
カテゴリ:相続Q&A
何もしないままでいると、お父様が日本に残した借金は、あなたが相続人として引き継いでしまう可能性があります(民法896条)。これを避けるため、家庭裁判所で相続放棄を行うことになります。
相続放棄には、原則として3ヶ月という期限があります。ただし、今回のように長く連絡が取れておらず、あとから死亡を知ったという事情がある場合は、一般に「自己のために相続の開始があったことを知った日」(多くは死亡を知った日)から期間がスタートします(民法915条)。
但し、亡くなってから3ヶ月ではなく、あなた(相続人)が「自己のために相続の開始があったこと」を知った日(多くは死亡の事実を知った日)からです。過度に焦る必要はありませんが、早めに動くのが安全です。
お父様がアメリカで亡くなっているため、日本国内のみにおける相続のケースより手続きがひと手間増えます。
STEP 1:日本の戸籍にお父様の死亡を反映させる
最初に、お父様が亡くなったことを公的に確認できる状態にしておく必要があります。
アメリカで発行される死亡証明書(Death Certificate)を取り寄せます。
お父様の本籍地の市区町村役場に死亡届を提出し、日本の戸籍に死亡の事実を記載します。
STEP 2:家庭裁判所へ相続放棄を申し立てる
お父様の最後の住所地(日本で住民票があった場所)を管轄する家庭裁判所に、必要書類を提出します。
必要書類: 相続放棄申述書、お父様の戸籍(除籍)謄本、あなたの戸籍謄本等。
海外での死亡が絡む場合、書類の準備や提出が複雑ですので、弁護士や司法書士に相談しながら進めるのが現実的です。
【重要】やってしまうと借金から逃げられなくなること!
相続放棄を考えている場合、これらのことをすると不利になることがあります。借金も含めて相続を受ける意思がある(単純承認)と扱われるおそれがあります。
お父様の遺産(預金や持ち物)に手を付ける: 少し(1円)でも使ってしまうと問題になり得ます。
借金の一部を返済する: 善意であっても、返済行為は相続(債務の承継)を認めたと評価される可能性があります。
自分が全部引き受けるといった念書を書く: 債権者(貸主)から書面を求められても、安易に署名しないよう注意が必要です。
もし債権者から連絡が来たら?
お父様の借金を返してほしいと連絡が入ることがあります。その場合は、次のように伝える対応が基本になります。
「現在、相続放棄の手続きを検討(または準備)しています」
これで十分です。これ以上の交渉は不要です。
まとめ:早期の相談が重要
海外で亡くなられた方の相続で、しかも負債(借金等)が絡むケースは、情報収集や公的書類の提出期限に関する手続きが複雑多岐にわたり,処理が非常に煩雑になる可能性があります。
1. まずは「死亡証明書」の確保。
2. 次に、日本の弁護士や司法書士に「相続放棄を進めたい」と早めに相談。
この2点を押さえることが、借金を抱え込まないための重要なポイントになります。
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