日本とアメリカでの、遺言の確認方法について教えて下さい。又、遺言のコピーしか見つからなかった場合はどうなりますか。 

投稿日:2026年3月1日

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相続が発生したとき、まず確認すべきは遺言書の存在するかです。 日本とアメリカでは、遺言(Will)の形式や保管方法が異なるため、双方のルールを踏まえて調査する必要があります。

ここでは、日本とアメリカにおける遺言書の確認方法と、原本が見つからずコピーしかない場合に法的な取扱いがどのように異なるかを説明します。


1. 日本での遺言書の確認方法

日本では、遺言書の種類により取り扱いが違います。

  • 公正証書遺言(公証役場)
    まず、公証役場で作成された公正証書遺言の有無を確認するのが確実です。
    公証役場の「遺言検索システム」を利用すれば、公正証書遺言があるか確認できます。
  • 自筆証書遺言(法務局の保管制度)
    法務局での保管制度を利用した自筆証書遺言は、2020年から開始されています。
    法務局に預けられている場合、全国どこの法務局からでも「遺言書保管事実証明書」を請求し、存在の有無を確認できます。
  • 自筆証書遺言(自宅等で保管)
    自宅などに保管されている場合は、丁寧に探す必要があります。
    例:仏壇、金庫、銀行の貸金庫、弁護士・税理士に依頼していた場合はその手元 など

2. アメリカでの遺言書(Will)の探し方

アメリカには、州によって法律を異にするため、日本のように公的な制度が全米規模で整備されているわけではありません。 そのため、手がかりをたどって調査します。

  • 作成に関与した弁護士への確認
    アメリカでは遺言作成を弁護士に依頼することが多く、弁護士の手元に控えが残っている可能性があります。
  • 居住地域のプロベート裁判所(Probate Court)の確認
    遺言書がすでに裁判所に提出されているかどうかを確認します。
  • 銀行の貸金庫
    故人(被相続人)の取引銀行の貸金庫に保管されている場合があります。
    ただし、開扉に裁判所の許可が必要となることが多く、手間がかかる場合があります。
  • デジタル保管(PDF/クラウド等)
    近年は、遺言書のPDFや関連情報をクラウドに保存しているケースもあります。
    故人のメールアカウント等から、利用履歴や案内メールがないか確認します。

3. 原本が見つからず、コピー(写し)しかない場合

原本がない場合、手続きが滞りやすい傾向にあります。

  • 日本:公正証書遺言
    コピーしかなくても大きな問題になりにくい場合があります。
    公証役場に原本が保管されているため、再発行(謄本等の取得)が可能だからです。
  • 日本:自筆証書遺言
    自筆証書遺言においては,内容の改ざん防止・証拠保全の見地から家庭裁判所の検認手続が義務付けられているため(民法1004条),コピー(写し)では、銀行の手続きや不動産の名義変更が進まないことが多いです。
    遺言に依らず相続人全員で遺産分割協議が成立すれば進められる場合もありますが、 反対者がいれば紛争化(裁判)する可能性があります。
  • アメリカ
    アメリカの場合,コピー(写し)しかないと、法律上,故人が当該遺言の内容を撤回するために原本を破棄したとの推定が働く傾向にあります。
    本人の意思に反して原本を紛失したことを証明できれば、コピーでも有効と認められる可能性はありますが、 立証は容易ではありません。