日本で相続が発生しましたが、アメリカで音信不通となった相続人をどのように探せばよいでしょうか。

投稿日:2026年3月1日

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日本で相続が発生した場合、相続人の中にアメリカで行方不明になっていたり、音信不通というケースは少なからずあります。 日本の法律では、遺産分割がまとまるまで相続人全員の関与が求められる場面が多く、銀行口座の解約や不動産の名義変更手続が進められない場合があります。

ここでは、アメリカにいるはずの相続人を探し、手続きを進める方法をご説明します。


1. デジタルで探す

アメリカは、日本よりSNSなどオンラインで見つかる情報が多い傾向があります。

  • SNSの活用(特にLinkedIn)
    アメリカでは、ビジネス仕様のSNSであるLinkedIn(リンクトイン)の利用が盛んで、実名で登録し、勤務先、居住地域などを公開している場合があります。
    したがって、FacebookなどのSNSに比べて、LinkedInの方が所在を確認できる場合があります。
  • People Searchサイトの利用
    アメリカには有料・無料の検索サイトがあり、氏名とだいたいの居住州がわかれば、電話番号や住所をたどれる場合があります。
  • 訃報(obituary)の確認
    アメリカでは、地元新聞や専門サイトに詳しいお悔やみの記事を載せることが多いため、obituary(訃報記事)が手がかりになることもあります。
    万一亡くなっている場合でも、これらから情報が得られる可能性があります。

2. 現地で専門家に依頼する

自力で探すことが難しい場合、調査専門家(現地の私立探偵等)に依頼するのが有効です。

  • スキップ・トレース(Skip Trace)
    アメリカで一般的な調査方法で、債務者や行方不明者の捜索に用いられます。
    現地の調査専門業者は、公的記録の検索サービス等を通じて、取得する範囲は限られますが、一般にはアクセスできないデータベースを参照できる場合があります。
  • 現地の私立探偵
    居住の州がある程度わかっている場合、地元の探偵に調査を依頼することも選択肢の一つです。
  • 米国在住相続人が関与する相続手続に慣れた弁護士
    居場所を特定するだけではなく、その後の遺産分割協議書への署名(領事館等で署名証明)までを見越し、国際相続を取り扱う弁護士に依頼するのが有効です。

3. 見つからない場合の法的手段(日本の家庭裁判所)

どんなに手を尽くしても見つけられない場合、または相手から応答がない場合は、 日本の家庭裁判所での手続きに切り替える必要があります。

  • 不在者財産管理人の選任
    「所在不明の相続人」に代わって当人の財産を管理する人(実務では弁護士などが選任されるケースがあります)を、裁判所に申立てる制度です。
    選任された管理人は家庭裁判所の許可の下、遺産分割協議に参加することが可能で、これにより遺産分割協議の手続きを完了できる場合があります。
  • 失踪宣告
    生死が7年以上わからないなどの場合に、家庭裁判所に申立てて、法律上で死亡したものとみなす手続をいいます。
    ただし、時間もかかり手続も難しいため、最終的な手段と考えるのが一般的です。

注意点

アメリカにいる相続人と音信不通だからという理由でそのまま放置してしまうと、 後にその相続人の子どもが出てきた場合には、その子が代襲相続人として関与することになり、 さらに手続が複雑になるおそれがあります。