黄金株とはどのような株ですか?

投稿日:2026年9月25日

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黄金株の始まりは1980年代、イギリスのサッチャー首相が民営化を進める中で、防衛や通信など国家安全保障上重要な企業への外資流入を制限するために導入されたことがきっかけである。ドイツでは、フォルクスワーゲン社に対し本社のあるニーダーザクセン州が黄金株を保有しているが、連邦政府としては企業統治の観点から黄金株制度の導入には否定的な立場をとっている。

日本では、日本の株式会社において特定の重要事項に特別な権利を持つ株式である。取締役の選任・解任、事業譲渡、合併など経営に関わる場面で拒否権などを持つことがあり、M&Aや事業承継では企業の方針を守る手段として重要な意味を持つ。

たとえば、「自社株の評価額が低いうちに子供(後継者)へ譲渡して節税したいけれど、まだ経営の主導権は自分が持っていたい」というような場面では、普通株式の大部分を子供へ譲渡して、親は「黄金株」を1株だけ手元に残すという方法が考えられる。

こうすると、会社の利益や財産を受け取る権利(普通株式)は子供に移しつつも、会社の重要な決定事項については、親が黄金株の拒否権を使ってコントロールし続けることができる。

また、有名な例として、USスチール買収においては、アメリカ政府がこの黄金株を保有することで、日本製鉄による投資の削減や本社の移転、社名変更などに対して拒否権を持つことが可能である。このことによって、トランプ大統領は「国家安全保障上の懸念」を完全に払拭できると主張できるようになる。

黄金株を発行するメリットとしては、①企業の自主性を保護することができ、②敵対的な買収から保護する手段として有効であり、③事業承継を円滑に進めやすく、事業承継に早期に着手しやすいといったメリットが挙げられる。

それに対して、①黄金株を持つ株主の過度な権限集中が問題となることがあり、②拒否権が不合理に乱発される場合、会社の経営を阻害することになり、③透明性の低下やガバナンスの問題が生じるリスクがある。

次に、黄金株の発行する手続について解説していく。日本の会社法に基づき、一般的な流れは以下の通りである。

1 定款の変更
株主総会の特別決議を開き、会社のルールブックである「定款」に黄金株(拒否権付種類株式)を発行する旨を記載する。

2 拒否権の範囲を決定
「どの議案に対して拒否権を行使できるか」を具体的に定める。

3 譲渡制限の設定
黄金株が意図しない第三者に渡るのを防ぐため、株式の譲渡には取締役会などの承認が必要であるという制限を付ける。

4 登記手続
変更した内容を法務局で登記する。

まとめ

黄金株は「株式数が少なくても、会社の重要な意思決定に対する拒否権を確保できる株式」であり、事業承継や買収防衛に有効な反面、権限の集中による弊害にも注意が必要な制度である。