調停、調停委員と、弁護士と。

投稿日:2017年7月13日

カテゴリ:事務所ブログ

調停には実に多種多様なあり方があり、ある意味柔軟で、ある意味、いい加減な手続きです。

訴訟の場合は弁護士を立てる方が多いと思いますが、調停では、弁護士を頼まず、ご自分だけで調停期日に臨む方もいます。時々、「やっぱり弁護士さんを立てた方がいいんでしょうか?」と聞かれることがあります。それは、ケースによって違います。

まず、相手がすでに弁護士を頼んでいる場合。この場合には、ご自分も弁護士を頼まれるべきでしょう。法的知識を持ち、調停手続きに慣れた人間とそうでない人間とでは、全く形勢が違います。

次に、ご自分が口下手だ、話すのがうまくない、話すのが苦痛だ、とお感じになる場合。これも弁護士を立てるべきでしょう。しかしこの場合には、依頼する弁護士を、よく選ばれることをお勧めします。

なぜなら、弁護士の中には、「調停は原則としてご本人が調停委員と話すべきであり、弁護士は、法律的な知識や手続きの説明などを補えばいいだけだ」とお考えになる先生も少なからずいるからです。それはそれで、その先生のやり方ですので、正しいとか間違っているとか、そういうわけではありません。そういう先生は、調停の席では控えめにお座りになり、必要に応じて少し口を添える程度、という態度を取られます。そうなるとご本人は「助太刀してくれない」「私に代わってもらうために頼んだのに…」と不満を持ち、双方の信頼関係にひびが入ることにもなりかねません。

一方で私などは、相当、調停の席でべらべらとしゃべる弁護士です。いえ、べつにしゃべり倒そうと意図してやっているわけではないんですが、調停委員からいろいろ問われて、ご本人が言葉に詰まっているので助け舟を出そうとして口添えすると、結果としてべらべらしゃべる羽目に陥るのですね。これも良しあしですが、その方が、お客様に安心してもらえることもあります。

つまり、「自分は人と話すのが苦手だ。うまく自分の気持ちを整理できない」とお考えになる方であれば、私のようにわりとべらべらとしゃべる弁護士を頼まれた方がいいでしょう。逆に、「自分はこの件で言いたいことがある!自分の口で言っておきたいことがある!」という方が弁護士を頼まれる場合には、むしろ上述のようなあまりしゃべらない先生をお頼みになり、必要な知識の補足に重点を置かれた方がいいでしょう。

調停委員との接し方もまた、弁護士によってさまざまです。

私などは結構はっきりと、「もう妥協の余地はないので、調停不成立にしてしまってください」と調停委員に要求する方です。一方、調停の進行は調停委員のお考えにお任せします、として、ほとんど意見をおっしゃらない先生もいらっしゃいます。

これは本当に、どのやり方が正しい、いうことはありません。弁護士のスタイルの問題であり、そのスタイルにお客様が同意してくださるかどうか、というだけです。

そもそも、弁護士が、どう事件を進めるか、どう処理するか、というのは、たぶんにその弁護士によって違います。これが正解、というのはありません。時々当事務所にも、ご自分の弁護士のやり方が不安だ、セカンドオピニオンが欲しい、と仰るお客様がお見えになりますが、まずお勧めするのは、ご自身でご自分の先生と、腹を割ってよくよくお話になることです。その先生がそのような方針を取られるには、それなりの理由があるものです、よほど怠け者でない限り。

話が少しそれました。本題に戻って、調停についてまとめてみましょう。ご自分でやることもできますし、だから不利になる、とも限りません。ただ、弁護士を立てた方がいいケース、というのは確実にあります。そしてその時には、この弁護士が、自分のニーズにあっているか、というところを、少し気を付けてみてください。弁護士と言っても色々なタイプがいます。解熱剤にいろいろあるのと同じです。あなたにあったお薬、症状にあったお薬を選ぶのと同じように、あなたにあった弁護士を選んでいただければと思います。

 

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