円満な離婚、円満な結婚

投稿日:2017年7月3日

カテゴリ:事務所ブログ

先日、八王子市のコワーキングスペース「エイトビート」で、「明るい離婚の話」と題してセミナーをさせていただきました。

離婚とは何か。不貞とは何か。それを考えることによって、婚姻というものの在り方も見えてくるのではないか。そんな感じでざっくりと1時間半ほどお話させていただきました(当事務所は本来的には企業法務を専門としますが、わたし個人が、長らく司法過疎地で働いていた経験から、離婚や相続といった家事事案もよく依頼され、今でも処理させていただいています)。

極めて個人的な意見ですが、円満な離婚には、三つあるように考えています。

第一は、外野、つまり親や兄弟があまり口を出さない離婚。時々、30代、40代の方の離婚でも、親御さんが一緒に相談に見えることがあります。親御さんは「この子のことは自分が一番よくわかっている」とお思いになるのですが、しかし、お子さんの夫婦生活の機微は、どうしても、親御さんにはわからないことなのです。にもかかわらず親御さんが口を出し意見するとき、離婚はややこしい話になりかねません。

第二は、自分のためにする離婚。「子供のため」あるいは「親のため」ばかりご本人が考えていると、話がこじれます。離婚してその先、お子さんが、或いは親御さんが、幸せになれるかどうか、それはだれにもわかりません。わからないことを第一順位において考えを決めようとしても、それは無理というものです。むしろ、いま、あなたが何をしたいのか。どうしたいのか。自分の離婚においては、自分の意見をはっきりさせることも大事です。これが実は、とても難しいことなのですが。

第三は、精神的、経済的に自立した離婚。これが一番大事です。経済的に自立、とは、例えば今子育て中で仕事を休んでいても、復帰すれば働ける、働く意思がある、そういう潜在的な稼働能力がある場合も含みます。

精神的、経済的に双方がしっかり自立していなければ、結婚生活もうまくいきませんし、離婚もスムーズにはいきません。そして、精神的な自立と経済的な自立とは、非常に密接にかかわっています。特に経済的に自立できていない男性が精神的に自立できているケースというのは、まれであるように思います。あくまでも個人的な意見ですが。

何にせよ、離婚は決してマイナスなものではありません。新しい生活のスタートです。ご縁をいただいた皆様が、気持ちよく、ベストなスタートを切れるように。私たちはそのために、常に、ベストを尽くします。