「62歳の聖子ちゃん」事件雑感

投稿日:2017年4月20日

カテゴリ:事務所ブログ

山辺容疑者は、まだ捜査段階で起訴もされておらず、有罪か無罪かは、判りません。
弁護士の目から見ればまあ、この種の出資詐欺ってすごくよくある話でして、当事務所でも常に何件か扱っているといっても過言ではないくらいです。若手の社長さんなど、意外にもよく騙されます。せっかく苦労して起業し、ようやく事業が拡大しつつあるときに限って、出資詐欺にあう。
つれづれとその理由を考えるに、まず一つには、「成功する社長さん」は仁義に厚く、かつてお世話になった人から出資を頼まれると断れない。二つには、自分がスタートアップ時に資金繰りに苦労した経験から「有望なのに困っている会社さんがあるなら出資して助けてあげたい」という思いがある。
そういう思いで出資したのに、期限までに償還されない。裏切られる。そこで目が覚めて弁護士のところに駆け込んでくれればまだいいのですけれども、「いやもう少し待ってみよう…」などとホトケゴコロを出す。「仁義に厚い」方にありがちなパターンです。そしてさらに裏切られる、どころか逃げられる。逃げられてしまうと出資金の回収は非常に厄介になります。
ですから「事業が軌道に乗ったばかりの社長さん」、ぜひ出資詐欺にご留意を。せっかく、社長さんも社員さんも苦労して、やっと手に入れた金員を、詐欺師に騙し取られてはなりません。
余談です。薬事法を扱う弁護士として大変気になるのは、山辺さんがどんな治療を受けてどんな化粧品を使ったんだろ、というところです。女性は時の流れに身を任せられないものなのですね。私自身は、我が顔の上にふりかかる時の流れにもう抵抗する気力もないのですが、知力と、体力と、そして常に一歩でも半歩でも、上へ、良いプラクティスを目指して寸暇を惜しんで精進していく気合だけは、決して衰えさせてなるものかと、常々歯を食いしばっております。