事件を通じて、その次へ。

投稿日:2017年3月8日

カテゴリ:事務所ブログ

弁護士の仕事は、お客様のために戦うことです。
交渉を、或いは訴訟を戦って、お客様に有利な結果を得る。一歩でも、半歩でも、たとえ四分の一歩でも、良い結果を求めてどこまでも戦う。これが仕事です。
しかし、ただただ戦えばいいというものでもありません。
トラブルのさなかにいるお客様は、後悔したり、悩んだり、自分を責めたり相手を責めたり、或いは担当者を責めたり部下を責めたり、精神的に追い詰められ、消耗しています。
しかし、弁護士があいだに入り、事件を処理しはじめると、お客様と事件との間に、今までなかった「スぺース」が生じます。お客様は、徐々に、事件を客観的な目で眺められるようになります。
事件処理を通じて、お客様が、徐々に、受け止めきれていなかった事件を受け止めていけるようになるときがあるのです。会社さんであれば、事件を受け止め、事件を見つめて、その経験を活かし、次の契約、次のビジネスに向かっていく。弁護士をあいだに入れることによって、その余力が生じてくることがあります。
私たちの最大の願いは、ここにあります。訴訟は勝負です。勝つこともあれば負けることもあります。
しかし、最終的には、事件からより多くのものを得たほうが、勝ちなのです。金銭的な請求で勝っても、精神的に全く納得がいかず、悶々とする結末となることもあります。最終的に、相手に、いくらか金銭を支払っても、それできちんとけじめをつけ、次のビジネスに向かって
大きく羽ばたいていけるのなら、それは、勝ちではないでしょうか。
事件を通じて、その次へ。お客様には、さらに高いステージへと、進んでいっていただきたい。私たちはいつも、そう願いながら事件を処理しています。その姿を、応援させていただければ、これにまさる幸せはありません。