将来を見据えたM&Aのために その2

投稿日:2017年1月19日

カテゴリ:事務所ブログ

将来的にメリットのある、有意義なM&Aの実現のために気を付けたいことの第1は、「譲渡側、譲受側が、真に理解しあうこと」です。

多くのM&Aは、仲介者を介して条件が詰められ、双方経営トップの意向も、仲介者を通じて伝えられます。しかし、いわゆる伝言ゲームにはどうしても誤解や思い込み、憶測が入り込んでしまいます。
どれだけ多忙であっても、必ずトップ同士が直接話し合う場を、複数回設けましょう。これは、交渉が行き詰まったときにも大変有効です。メールやスカイプで、多くの用が足りる時代だからこそ、直接会って、握手できるか、お互いの目を見て話せるかという、極めてアナログな問題が大切になります。
また、直接会うことで、「相手方の真のkey man」を見抜くことも大切です。
社長とは言いながら、決定権はほかのだれかが持っている…株式を譲渡してもらっても、その人を排除できなければ結局、支配権は得られない…
という事態は、実は、それなりに多いことです。
交渉に来るのは、誰か?交渉の場で、誰が判断しているのか、誰が決定しているのか、決定の速度は速いのか遅いのか、などをよく見極める必要があるでしょう。
伝言ゲームによる意思疎通における理解の齟齬と、真の決定権者の判断の誤りによって生じるM&Aの失敗は非常に多いと言えます。そのような事態になると、譲渡代金や、譲渡に伴うそのほか諸々の経費、労力が無駄になるだけではなく、会社の将来に深刻な悪影響が及びます。一度とは言わず、できるだけ頻繁に、トップ同士が直接面談し、理解しあったうえで、交渉を進めていきたいものです。